こんばんは。海保けんたろー(株式会社ワールドスケープ代表/ドラマー)です。
今日の話は、インディーズアーティストの音源の仕上げについて。
インディーズアーティストの音楽
音楽活動の支援をやっているという仕事柄、ぼくはインディーズアーティストの曲を耳にする機会が多い。
涙が出るほどいい曲だったり、思わず体が動くほどカッコよかったり、そういう曲はたくさんある。
その度「こういう人たちがちゃんと脚光を浴びて、音楽活動で生計を立てられる仕組みを作るぞ」と
起業した時の想いを改めて確認するのだが…
…正直、その逆もある。
低レベルな音楽
「素晴らしいインディーズアーティストはたくさんいる」というのは事実だが、
その一方で「レベルの低いインディーズアーティストもたくさんいる」というのもまた事実だ。
音楽は芸術だから、正解はない。
そういう意味では「レベルの低い」という言葉は意見が割れそうだが、
「多くの人に支持される音楽」があるということは、
逆説的に「多くの人が不快感を覚える」「好きだという人はほとんどいない」という音楽は存在する。
ではその曲を低レベルたらしめている原因は何か?と紐解くと、
以下のような要素に分解できる。
1.メロディーが良くない
2.アレンジが良くない
3.歌詞が良くない
4.歌唱力が低い
5.演奏技術が低い
6.録音環境が良くない
7.ミキシングやマスタリングが良くない
さて、この中で「うわ〜〜この曲、残念〜〜!」と感じる原因No.1(海保調べ)はどれだと思うだろうか?
曲を低レベルたらしめる原因No.1
正解は
7.ミキシングやマスタリングが良くない
である。
以下、理由を説明する。
まず、1〜3は「好みの範疇」と言える幅が広い。
ぼくが「このアレンジ好きじゃないな…」と感じたとしても、
「まあ、こういうのが好きな人もいるよね」と思える範囲が広いので、
直接的に低レベルと感じる原因にはなりにくいのだ。
続いて4〜6。
これらは実際、痛い。
かなりクオリティに影響がある。
しかしどれも、ミックス・マスタリングなどの仕上げ段階で、かなり修正できてしまうのだ。
逆に言えば、7をしっかりやらないでいる限りは、4〜6が顕在化する可能性を許すことになる。
ミキシング・マスタリングの重要性
実際に、
・ボーカルの音程やリズムの修正
・演奏の音色やリズムの修正
・ノイズの除去
あたりをしっかりやれば、4〜6によって大幅に足を引っ張られることは避けられる。
その上でレベルの高いミキシングとマスタリングができれば、
「これはこれで好きな人はいるかもな」というレベルには高確率で達する。
それなのに、そこに達していない音源が多すぎるのだ。
これはもう、本当に、本当にもったいない。
インディーズアーティストにおいて、それが特に顕著なのが「ボーカルの音程」である。
イントロを聴いて「おっ、なんかいい感じ!」って思って、
ボーカルの歌い出しでズコ〜〜〜〜ってなった経験が何度あることか…。
ぼくは、ここで改めて問いたい!
ボーカルの音程を修正してない人は、どういうつもりなんだろうか?
以下、回答別に反論する形でぼくの熱意を伝えたい。
ボーカルの音程を修正しない人はどういうつもりなの?
「自分の歌はかなり音程が安定しているので、修正する必要性を感じない。」
99%勘違いです!
超一流のプロボーカリストでも、多くの人が修正しているという事実を素直に受け止めてください!!
「音程を揃えすぎると、機械的な印象の歌になってしまう。」
きた〜〜!知った風な意見〜〜〜!
それは修正の強さで調整することであって、全く修正しないのは完全にやりすぎです。
「音楽性的に、音程がズレてるくらいの方がいい。」
居がち〜〜〜!自己満足、誠に乙です!!!
12音階からずれた音程が不快だからこそ、平均律は一般化しているのです。気付いて!
「ベンジーは音程ズレズレだけどかっこいいじゃん。」
DEDEDEDEDE出た〜〜〜!!
極一部の例外を示して得意げになるYATSU〜〜〜!!!!
ベンジー並のカリスマ性を身につける方が6473483万倍大変です。
「お金がないからちゃんとミキシングとか頼めない。」
それはほんとごめん。
1曲1万円とかでやってくれるエンジニアさんはいるので、10時間がんばってバイトしてください。
そして誰に頼んだらいいか分からなかったら、Twitterでぼくに尋ねてください。
ちゃんと紹介するから。
この記事がヒントになり、あなたの音楽活動がより良いものになることを願っています。
「 音楽活動で生計を立てるための全知識 」もご覧ください。ご好評いただいてます。
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