karaoke_logo

こんにちは。海保けんたろー(株式会社ワールドスケープ代表/ドラマー)です。

2019年10月3日に、ぼくの会社が提供している「かんたんカラオケ配信」がリニューアルして「カラオケ配信サービス」になりました。

このサービスがどういったものなのか?という点については実際にサービスのページを見ていただくとして、ここでは
「このサービスが公開されるまでの間に、社内のメンバーたちがどんな壁にぶち当たり、どう解決してきたか」
というストーリーを振り返ってみたいと思います。

カラオケ配信サービス by Frekul はこちら

カラオケ配信サービスをリニューアルした理由

前述の通り元々ぼくたちは、誰でも自分のオリジナル曲をカラオケに入れることができる「かんたんカラオケ配信」というサービスを運営していました。

おかげさまで大変ご好評いただき、毎年順調に伸びております。

karaoke_chart

▲かんたんカラオケ配信売上推移(2019年は9月末実績+予測)

しかしこのサービスが伸びるほど、元々少しだけ引っかかっていた点がどんどん気になるようになっていきました。

それは「このサービスではアーティストに印税を戻すことができない」という点です。

印税を戻すためには

印税を受け取れないとしても

・単純に自分の曲がカラオケに入るのが嬉しい
・ファンの方が歌ってくれて口コミで曲が広まる

といったメリットにより多くの方が利用してくださっていました。

しかしぼくたちの想いとしては、できればアーティストにお金も戻したい。

そのためには当社が音楽出版社と呼ばれる機能を持つ必要があります。

音楽出版社は、作詞作曲家と著作権管理団体(JASRACやNexTone)との間を取り持つ存在です。

音楽出版社の機能を持つためには、曲の確保、作家との権利処理、管理団体との契約、そして印税発生時の正しい報告と分配、といった多くの事務作業を継続的にスムーズに実践できるようになる必要があります。
なかなか楽ではありません。

そういったサービスの対価として、印税の一部(一般的には50%)をいただくのが音楽出版社のビジネスモデルです。

そのため従来の音楽出版社は「一定以上の印税収入が見込める曲のみ取り扱う」という前提に立っていました。
そうしないと「事務作業ばかり膨大に増えて収益がほとんど上がらない」という状態に陥ってしまうからです。

しかしぼくたちは、

・今はまだファンが少ないけどこれから伸びていく可能性があるアーティスト
・専業プロになるつもりはないけど一定数のファンがいるアーティスト

などにもカラオケ印税という収入源を提供したい。

そのためには従来の音楽出版社とは全く違う考え方をする必要がありました。

ビジネスモデルの転換

これをどう解決するか。

ぼくたちは話し合いを重ね、下記の方向性で挑戦することに決めました。

・登録時にアーティストから数千円の事務手数料をいただく(かわりに印税の分配率は引き上げる
・契約関係を完全ペーパーレス化してWEB上で自動完結するように実装する

この2点をやりきれれば、いわゆる人気アーティスト以外にも印税を渡すことが可能だと考え、走り出しました。

I7D_0501_2_original

しかし実現に向けて設計を進めていると、また新たな問題に気がつきます。
アーティスト本人(≒申込者)が著作者とは限らないという問題です。

数千円の事務手数料を負担するのは原則的にアーティスト本人です。
一方で著作権利用料(印税)を受け取る権利があるのは著作者(=作詞作曲家)です。

シンガーソングライターのようにアーティスト本人が作詞作曲もしているという形態であれば何の問題もありません。
しかしアーティストが楽曲提供を受けて活動しているようなパターンなどでは問題が発生します。

申込者は「自分以外の誰かが印税を受け取れるようにするために自分が数千円を負担する」という謎の構図になってしまいます。

この問題を解決するためには、著作者がまずは申込者に著作権を譲渡し、その上で申込者から当社に著作権の一部を譲渡してもらう、という工程が必要になります。

これは申込者にとってかなり面倒です。
そこで「作曲家とアーティスト間の契約」という直接当社が関係ない契約も、当社が橋渡し役を担うことにしました。

作曲が複数名の共作になっている場合など様々なパターンがあるため、設計はとても複雑です。
しかし全てのパターンを回収し、見事WEB完結のシステムに落とし込むことができました。

音楽出版社をやるぞと決めてから3ヶ月でのスピード公開です。
そして個人的にとても嬉しいのは「このプロジェクトはほとんどぼくが手を動かしていない」ということです。

改めて当社のメンバーに拍手を送りたいと思います。

当社メンバー以外にも、JOYSOUNDを運営するエクシング社の方々、著作権管理団体NexTone社の方々のご協力なしには実現不可能でした。
この場を借りて改めて、心よりお礼申し上げます。

このサービスが広まることできっと「カラオケ印税で収入を得ているインディーズアーティスト」という存在が多く誕生すると信じています。

それはきっとアーティストにとってだけでなく、音楽を愛するリスナーの方にとっても、音楽業界で働く方にとっても素敵な影響があることだと、ぼくは信じています。

あなたの周りにもし音楽活動している友人がいたら、ぜひこのサービスを教えてあげてくださいね。

カラオケ配信サービス by Frekul

長文を読んでくださって、ありがとうございました。

海保けんたろーより。

Twitterでも音楽活動や業界について書いてます→ 

「音楽活動で生計を立てるための全知識」はこちら。ご好評いただいてます。

▼この記事をシェアする