ゴルフ会員権ビジネスとファンクラブビジネスの関係。音楽アーティストが転用したら面白い説

こんにちは。海保けんたろー(株式会社ワールドスケープ代表/ドラマー)です。

ぼくは「どうやったらアーティストがもっと音楽活動でお金を稼ぐことができるか」ということについて1日平均59時間くらい考えているのですが、わりと面白いんじゃないかと思っているアイデアがひとつあるので、今日はその話を。

一言で言うと「ゴルフ会員権ビジネスをアーティストに転用する」というものです。

アーティストの月額課金モデル

まず前提として、ぼくは「インディーズアーティストにおける月額課金型サービス」に可能性を感じている。

アーティストが月額課金というと、ファンクラブとか、有料モバイルサイトみたいなものが最初に浮かぶかもしれないが、特典設計や価格設定次第でさまざまな形があり得る。

弊社がやっているFrekulにも、アーティストが自分の月額ファンクラブ的なものを作れる機能があるが、そこでは「月1000円前後をいただき、ライブ録音or録画が毎月メールで送る」という設計がうまく回り始めている。

これが有名アーティストがやっているファンクラブとは似て非なるものであることは分かってもらえるかと思う。

このようなアイデアをさらに発展させて、

・インディーズ規模のアーティストでも
・それほどハードな労力をかけることなく
・しっかりと収入を得ることができて
・ファンも嬉しい

という条件を満たすものが「ゴルフ会員権ビジネスの転用」なのではないか、と考えているのだ。

ゴルフ会員権ビジネスとは

ゴルフ会員権ビジネスというのは、簡単に言うとこういうものだ(ぼくも最近学んだ内容なので、間違っていたら指摘してほしい)。

  1. 誰かが「ここにゴルフ場建設しまーす。このゴルフ場は会員権を持っている人しか使えません!」と宣言する。
  2. 会員権が限定数発売され、欲しい人達が買う。売り切れる。
  3. そのお金を使ってゴルフ場が建設され、オープンする。
  4. 会員は年会費を支払いつつ、ゴルフ場を使う。
  5. 会員権は自由な値段で転売ができる。だから「ゴルフ最近飽きてきたな〜」とか思ったら人に売ってもいい。
  6. 「そのゴルフ場の会員権マジ欲しいんですけど」って人が多いと、場合によっては買った金額よりも高く売れたりする。儲かる。
  7. むしろ最初からゴルフする気なくて、転売による儲け目的で買う人達が出てくる。ゴルフ場としては特にデメリットなし。

これを、アーティストに置き換えるとどうなるか。

  1. アーティストが「月額1000円でライブ映像が毎月届くファンクラブ立ち上げます。ただし会員権(入会金)は2万円です。」と宣言する。
  2. 会員権が限定数発売され、ほしい人達が買う。売り切れる。
  3. 会員権は自由な値段で転売ができる。だから「このアーティスト最近飽きてきたな〜」とか思ったら人に売ってもいい。
  4. 「そのアーティストのライブ映像マジ欲しいんですけど」って人が多いと、場合によっては買った金額よりも高く売れたりする。儲かる。
  5. むしろ最初からアーティストには興味なくて、転売による儲け目的で買う人達が出てくる。アーティストとしては特にデメリットなし。

ということになる。

要は「会員数が限定されており、入会金が高いが、会員権を転売することが許されているファンクラブ」である。

説明せずとも分かる方も多いと思うが、この仕組みを導入することにより

・駆け出しアーティストでもまとまった資金を集めることができる
・様子を見ながら少しずつ追加募集することにより、追加資金を得ることもできる
・たとえ将来成功しなくても、返済を求められるようなことはない
・将来人気が出たら、昔から応援してくれているファンに金銭的メリットが生まれる
・普通にファンクラブ会員を集めるより(儲け目的の人が参入する分)会員が増える

というメリットがある。

最近話題のVALUやTimeBankにも近いニュアンスにもなるだろう。

IMG_4990_original

実際にいけるかどうか

さて、ここまで思っているなら「お前が仕組み作ればいいじゃん」と思うかもしれない。
しかしぼくはそれをせずに、とりあえずブログに書いている。

なぜか。

それは残念ながら、今の日本の音楽業界ではこれは流行しないと考えているからだ。

理由1:高額な入会金のインパクト

→「嵐のファンクラブだって入会金●●円なのに…!」みたいなクソリプが大集合だわいわいすること間違いなし

理由2:転売、利益といった言葉のイメージ。

→「金儲けに走り出した…!怪しい!」みたいなクソリプが大集(以下略)

そういうものによって、アーティスト側も「なんとなくイメージ良くなさそうだから、やめておこう」となってしまう。

成功例がいくつか出てくると一気に雰囲気が変わりだすんですけどね。
ファーストペンギンになるのは怖いということなのでしょう。

「ぼくたち、チャレンジしたいです!」というアーティストがいたらぜひお声かけください。
追加アイデアなども募集中です。

ではでは。
ぼくのTwitterは @kentaro_kaiho です。フォローお願いします。

▼この記事をシェアする