「リズムが軽い重い」「前ノリ後ノリ」など存在しないので無視してほしい

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こんにちは。海保けんたろー(株式会社ワールドスケープ代表/ドラマー)です。

ミュージシャンも30代とかになってくると、自分の演奏に対してアドバイスをくれる人、というのがかなり減ってきます。

10代から20代前半くらいまでは、多くの先輩ミュージシャンからぼくの演奏(ドラム)についてありがたいアドバイスをたくさんいただきましたし、
それらが間違いなく今のぼくの音楽観や演奏力を支えています。

しかし、当時からどうしても素直に受け入れられない種類のものがありました。

それは「リズムが軽い・重い」「前ノリ・後ノリ」というような概念にのっとったアドバイスです。

どうしてもモヤモヤする

以下、ぼくが実際にいただいた(ような気がする)アドバイスの言葉と、それに対するぼくの思考です。

「海保のドラムはちょっと軽いんだよな…もっと後ノリで叩いた方が気持ちいいよ」

「軽い…?テンポが早くなっちゃってるってことですかね?」

「いやそうじゃないんだけど。2拍4拍のスネアをもっと重く叩いて欲しいな」

「ドラム全体の中で、スネアだけ遅くするんですか?」

「そうそう。そうするとビートが重たくなるよ」

「スネアだけ遅くしたら、それと同時に叩いてるはずのハイハットとずれちゃいますけどいいんですか?」

「いやそれはフレーズとしておかしいから、ハイハットごと遅くすればいい」

「それって相対的に言ったら1拍目と3拍目が早くなってるのと同じですよね?」

「そういうことじゃないんだよな…」

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「ちなみに、前ノリ後ノリって2拍4拍にスネアが入っているフレーズでしか存在しないんですか?」

「いや、そんなことないよ。どんなフレーズでも前ノリ後ノリはある」

「じゃあ例えば”バスドラを四分で踏んでるだけの後ノリ”とかあるんですか?」

「あるよ。他の楽器に対してどういう位置で鳴らしてるかということだから」

「それはなんで”ドラム以外が前ノリになってる”ということにはならないんですか?」

「そういうことじゃないんだよな…」

海保面倒くださいやつだなって思いましたか?ぼくも思います 笑

しかし結局この辺について論理的に納得のいく答えをくれた人は(僕の周りには)いませんでした。

調査してみました

ずっとモヤモヤしていたこの前ノリ後ノリの理論についてですが、実は以前バンドのメンバーでそこについて調査をしてみたことがあります。

グルーヴがいいとされている世界トップアーティストの音楽をパソコンに取り込んで、
そのドラムやベースの波形がどういうタイミングになっているかということを目で確認したのです。

その結果、ことごとくすべてのリズム楽器はクリックにぴったりでした。
ジャストなのです。

決して24拍のスネアが後ろにずれていたり、他の楽器に対してドラムが前だったり後だったりという事はありませんでした(ボーカルやギターソロの表現でわざと遅らせたりというのはあります、あくまでリズムトラックの範疇でと言う意味で)。

というわけでぼくの結論は「リズムが軽い・重い」「前ノリ・後ノリ」などを気にする必要はない。
気持ちいい演奏をしたければとにかく正確なタイミングで演奏すべき、というものになりました。

アドバイスの選球眼

そこに特に若いミュージシャンの方は、先輩ミュージシャンからこういった類のアドバイスをもらう事は今後もあるかもしれません。

そのほとんどはありがたいアドバイスとして受け取るべきだとは思いますが、何か引っかかった時は自分で考えて、それを吸収する・吸収しないを選別するべきだなと思っております。

若いミュージシャンが不必要に遠回りすることなく成長していくことができますように。

海保けんたろーのTwitterはこちら→ @kentaro_kaiho

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