音楽活動で生計を立てたいなら工藤江里菜さんを研究せよ

518_large

こんばんは。海保けんたろー(株式会社ワールドスケープ代表/ドラマー)です。

「これからの時代、音楽アーティストがどうやって収益を得ていくべきか?」と考えた時に、「グッズ販売」はひとつのキーになるのは間違いない。

しかし、数千人・数万人といったファンがいないインディーズアーティストが、グッズ販売によって大きな収益を得るのは、なかなか難しい

そんな常識を壊す、工藤江里菜さんというシンガーソングライターと出会ったので、彼女のすごさを今日は語りたい。

グッズ販売に重点を置く活動

彼女の主戦場はショッピングモールだ。

海老名にあるビナウォークでの定期ライブを中心に、それ以外にもいくつかのショッピングモールでライブを展開している。

ショッピングモールなどのオープンスペースでライブをするメリットは、「通りすがりの人に見てもらえる(=新規開拓になる)」という点だ。

しかしその一方で、「何人お客さんを動員しても自分の収入にはならない」というデメリットがある。

ショッピングモールや路上ライブなどと、ライブハウスでのライブを併用して開催しているアーティストも多いが、
「無料で見られるライブにしか来てくれない層」が生まれ、ライブハウスでの有料ライブのチケットがなかなか売れずに苦労している例も多い。

そんな中、工藤江里菜さんはライブハウスでのライブをほとんどせずに「グッズ販売」によって十分な収益を得ている、珍しいタイプのインディーズアーティストだ。

考え方が根本的に違う

多くのアーティストの思考順は、下記だ。

作詞作曲を行う

ライブでのお披露目や、CD化などについて考える

リリースイベントやツアーなどが決まったら、それに合わせてグッズ制作を検討する

しかし工藤さんは違う。

新曲のコンセプトを考えながら、その曲の世界観でどんなグッズが作れるかを検討する

作詞作曲を行う

CDをライブ会場(ショッピングモール等)で発売すると同時に、その曲のコンセプトに合ったグッズも発売する

もう、作曲の前からグッズについて考えているのだ。

グッズにはストーリーが重要」と彼女は語る。

取ってつけたように突然リストバンドを作ったり、突然キーホルダーを作ったり…。
グッズ制作を後から考えるパターンだとそうなってしまいがちだ。

しかし、曲のコンセプトについて考えている時にグッズについても考えることができれば、

「新曲は雨についての歌にしよう」→じゃあ、傘を作れないかな
「新曲は電車についての歌にしよう」→じゃあ、パスケースを作れないかな

という発想を事前に組むことができる

そうすると、CD発売と同時に「そのグッズが作られた必然性」がそこに生まれ、
パスケースが「新曲の世界観を楽しむための追加アイテム」としての価値を持つのだ。

>> 工藤江里菜の笑ってシマウマ♪(ブログ)
eribon

グッズにストーリーを持たせる

「グッズにはストーリーが重要」という言葉にはもうひとつ要素がある。

工藤さんは、新曲の制作過程と同じように、グッズ制作の過程もブログで公開しているのだ。

グッズを作ることにした理由。

デザインに込めた想い。

手作業で仕上げている部分。

完成の喜び。

これらをリアルタイムに共有していくことによって、そのグッズの発売日はファンにとって、
ただの「新しいグッズが発売された日」ではなく、
「あのグッズを、ついに手に入れることができる日」になる
のだ。

こうして、ひとつひとつのグッズにストーリーを与え、それを共有していく。

これが、グッズで多くのファンに喜んでもらい、かつアーティストとしての収益を生み出していく工藤さんのやり方である。

CDはグッズである

ちなみにここまで「グッズ」という言い方をしているので誤解されているかもしれないが、
工藤さんが最も多く制作してきたグッズは「CD」である。

曲を聞きたいだけなら、ダウンロード販売でも、定額聴き放題サービスでも、YouTubeでも、満たすことができる。

しかし、CDひとつひとつにもストーリーがあり、モノとして手に入れる喜びを感じてもらえるのであれば、
これはもう「グッズ」と考えてしまって全く差し支えがない。

あなたがもし音楽活動をしているのであれば、
CDを始めとしたさまざまな「ストーリーを持ったグッズ」によって、活動の収益基盤を作ることを考えてみてはいかがだろうか。

ぼくのTwitterは @kentaro_kaiho です。フォローお願いします。