打首獄門同好会というバンドが達成した偉業について語りたい

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こんにちは。海保けんたろー(株式会社ワールドスケープ代表/ドラマー)です。

実は、先日ぼくがアメリカに行っている間に、日本でとてもインパクトのあるイベントがありました(ぼくにとっては)。

そこに参加できなかったのは本当に残念だったのですが、皆さんに伝えたい想いを文章化することで昇華したいと思います。

年齢フィルタリング

ぼくが会社を立ち上げる前。

純粋にバンドマン(ドラマー)としてだけ活動していた頃にはよく分かっていなかったのですが、
大手レーベルや事務所がどんなアーティストを契約したがっているか?ということが今はよく分かります。

もちろん、音楽が素晴らしいこと。

パフォーマンスが素晴らしいこと。

人格が素晴らしいこと。

それらの要素は当然あります。

しかし、ぼくがイメージしていたのと最もズレていたのは「かなり若さを重視している」という点でした。

もちろん、同じ実力であれば40歳前後のバンドより20歳前後のバンドの方がいいだろう、というのは理解していました。

しかし、想像していたよりも「若いこと」というのは彼らにとって重要だったようです。

具体的には、
できれば10代が理想。
25歳越えてると結構厳しめ
くらいの感じです。

たくさんの業界人が口を揃えてそう言うということは、きっと売れるための要素として若いというのは重要なのでしょう。

しかし、ぼくの肌感覚としては30代以上でも素晴らしいアーティストはたくさんいるし、
むしろ30代前半くらいで意識改革や戦略変更を行った結果、それまでよりグンと良くなるアーティストも多くいます

「年齢でフィルタリングしちゃってたら、そういうアーティスト見逃しちゃうよね…?」とモヤモヤしていました。

時代の変化に対応しているのか

ぼくがモヤモヤしていたのは、時代の変化の影響もありました。

2000年頃までは、CDがかなり売れていましたし、テレビの影響も今よりずっと大きい状況でした。

そのため、曲も声も歌詞も顔も性格も全部素晴らしくて、しかも若い、という
才能の塊のようなアーティストに一点集中で投資し、
国民的スターを作り上げることで一気に回収する、ということが可能でした。

今は違います。

人々が見るメディアは分散し、生活スタイルもより多様化しました。

いま最もCDが売れているAKBグループ、ジャニーズ、EXILE TRIBE。

彼らの最新シングルのサビを歌える人は日本人の何%でしょうか?
小室ファミリー全盛期のそれに比べたら大幅に下がっているはずです。

以前よりも「それぞれの人が、それぞれの好きなものを見たり聴いたりしている時代」なのです。

その世界では国民的スターはなかなか生まれません。

「個性を持ったアーティストが、それぞれの熱烈なファンを抱えている」という状況が量産されるのです。

前述したような超優等生的アーティストではない、特徴的なアーティストの時代がやってきているのです。

そういう意味でも、年齢を重視する傾向はしっくり来ませんでした。

しかし、とは言えぼくは国民的スターを作ったことはありません
その道のプロから見たらこの考えは何か間違っているのかもしれない…と確信を得られずにいました。

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打首獄門同好会の偉業

ところで、打首獄門同好会という物騒な名前をしたバンドをご存知でしょうか。

ここの所しばらくメンバーと会えていませんが、実はぼくと15年近い付き合いの友人たちです。

2004年に結成し、少しのメンバーチェンジはありつつも、2006年からは現メンバーで変わらず。

音楽性もビジュアル面も大きな路線変更はなく、一つの方向に地道に進化してきた感じ。

そして結成から14年経過しているのでなんとなく分かると思いますが、
彼らは前述の価値観に当てはめれば、決して若くはありません。

しかしなんと彼らは、

2004年の結成からしばらくワンマン(単独)ライブはなく、

2011年、結成7年目にして初ワンマン
2013年、渋谷O-Westでワンマン

ときて、

2014年、赤坂BLITZでワンマン

2016年、Zepp Tokyoでワンマン

 

2017年、新木場Studio Coastでワンマン

 

そして、

2018年、日本武道館でワンマン(しかもソールドアウト)

というストーリーを完成させました。

 

武道館がゴールとは限りませんが、多くのバンドマンにとって大きな目標のひとつであるのは間違いないでしょう。

それを、(業界の常識に当てはめれば)若くないバンドが、しっかりと実現して見せたのです。

▼これは赤坂BLITZの時のやつ

打首おめでとう、ありがとう

友人の晴れ舞台を直接目にすることができなかったのはとても残念でしたが、
きっと彼らはもっともっと大きなステージに羽ばたいていくことでしょうから、問題ないでしょう。

重要なのは、結成から10年近く人気に火がつかなくても、年齢が20代じゃなくても、
その間につけた実力やノウハウを活かせばしっかり成功できる時代になったんだ、という事実です。

もちろん、武道館をソールドアウトさせるほどの成功は、誰にでもできることじゃありません。

実際に彼らは並々ならぬ努力と研究ができる人達であることを、ぼくは知っています。

しかし、少なくとも「もう若くないから」という理由でスターへの道を諦めることはない、とぼくは確信しました。

打首獄門同好会が開けた風穴が広がり、音楽業界の人達にも「アーティストを若さで選ぶのは古い」という感覚が浸透していくことで、
きっと業界人にも、アーティストにも、ファンにももっと幸せな未来が待っているはずです。

ぼくもその未来を作る手助けを、これからもやっていきたいと思いました。

海保けんたろーのTwitterはこちら→ @kentaro_kaiho

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