メジャーデビューする方法と、メリット&デメリット

こんにちは。海保けんたろー(株式会社ワールドスケープ代表/ドラマー)です。

あえて論じるまでもなく、10年前20年前に比べて個人が取ることができる選択肢は圧倒的に広がりました。

アーティストとして売れたい、成功したいと考えている方々にとっても、自力でできるプロモーションやマネタイズ(収益化)の選択肢ががとても増えています

しかしその一方で「メジャーデビューする」ということのニーズが全くなくなったかというと、そうではありません。

感覚的にも「メジャーデビューしたい」と言うニーズはいまだに根強くありますし、実際に「事務所に所属しメジャーデビューする」メリットはいまだに強くあると思います。

メジャーデビューするメリット・デメリットは何なのか
そしてメジャーデビューするためには何をすればいいのか
というのをまとめてみました。

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メジャーデビューのメリット

メジャーデビューするメリットはいろいろとありますが、ざっくり言うと「お金」「労働力」「政治力」の3つです。

まずは「お金」

メジャーデビューが決まるとレコード会社は予算を出してくれます(残念ながらないこともありますが…)。

そのお金を使って、練習するスタジオ代を払ったり、レコーディングしたり、直近の生活費を賄ったりすることができますし、宣伝にお金がかかるのであればそれも出してくれたりします。

これは言うまでもないシンプルなメリットですね。

続いて2つ目の「労働力」

これは「自分の成功のためにたくさんの人が動いてくれる」ということです。

プロデューサー、A&Rといった直接的にアーティストと関わるポジションの方々もそうですし、
あなたの代わりに全国のラジオ局を回って「この曲をかけてください」とアピールしてくれる方がいたり、
全国のタワーレコードに出向いて「このCDを入荷してください」と言って回ってくれる方がいたり。

そういう形で多くの人があなたの成功のために動いてくれます。
これをもしあなたが人を雇ってお願いすると考えたら、なかなか大変です。

そして3つ目は「政治力」です。
個人的にはこれが最大のメリットだと感じています。

政治力というのはその会社自体が持っている交渉力だったり、宣伝枠だったり、そういうものです。

人気アーティストが所属していることで、例えばロックフェスの運営者に対して「この人気アーティストを出演させるかわりにこの新人アーティストも出演させてくれ」といった交渉ができたり、

そもそも「このアニメのオープニング曲は必ずこのレコード会社のアーティストが選ばれることになっている」というようなことも多々あります。

そういったところに突っ込んでもらえると言うのはアーティストとっては大きな追い風となります。

メジャーデビューのデメリット

では逆にメジャーデビューをするデメリットにはどういうものがあるでしょうか。

まずこれはメジャーデビューに限った話ではありませんが「多くの人が関わるほど自分たちがコントロールできる範囲は狭くなっていく」ということがあります。

作る音楽の方向性、制作の方法、スタッフの選択、お金の使い方、宣伝の方法、ミュージックビデオの方向性、SNSの使い方など…。

メジャーデビューしているアーティスト自身が全てを決定できるということはほぼありません。
そのため場合によっては自分が意図しない形で、作品やメッセージが世の中に発信されてしまう可能性もあります。

もう一つのデメリットはお金の問題です。

メリットのところで「経費が出たり給料が出たりする」と言うことを書きましたが、
逆に言えば、あなたの音源やチケットが売れてお金が入ってきた時は、その分たくさん持っていかれるということを意味します(そうじゃないと割に合いませんからね)。

そのため、契約内容によっては「国民的スターになったのに案外手元にお金が入ってこない」というようなこともあるかもしれません。

曲などの権利についても同様です。

自分たちが作った音楽だったとしても、全ての権利を自分たちで保持できることは稀です。
メジャー契約が切れてインディーズに戻ってきても「売れた曲についての印税があまり入ってこない」「自由に音源化できない」などの可能性もあります。

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メジャーデビューする方法

これらのメリットやデメリットを理解した上で「メジャーデビューがしたい!」と思ったあなたはどういうアクションをすれば良いのでしょうか。

その答えは3つあります。

そして3つ目にあげるものを知ってほしくて、ぼくはこの記事を書いています。

…と、その前に。

メジャーデビューするためには圧倒的なアーティストとしての魅力が前提です。

ちょっとライブ動員が多いとか、ちょっとInstagramのフォロワーが多いとか、その程度でメジャーでデビューできるほど甘くはありません。

そういうことよりも、
動員もフォロワーも少ないけどいちど聞けばほとんどの人が涙を流してしまうとか、
初見でもついテンションが上がって飛び跳ねてしまうとか、
そういうアーティストの方がずっとメジャーデビューには近いといえます。

何はともあれ素晴らしい音楽を作って素晴らしいライブをするという、アーティストとして至極当然なことが第一優先であることを忘れないでください。

それがやれているという前提で。
メジャーデビューするための選択肢1つ目は「人脈を作る」です。

人脈というとそれだけでちょっとそれだけでいやらしい感じが出てしまうのは否めませんが、メジャーレーベル内やそれに近い立場にいてメジャーデビューをさせるかどうかの決定権を持っている人や、その人にプレゼンが出来るような立場の人があなたのことを知らなければ、メジャーデビューのさせようがありません

そういう人たちがどういったルートであなたを知るのか、には無限のパータンがあります。

運良く友達のお父さんがレコード会社で働いていたということもあるでしょう。
たまたま飲みに行ったバーで隣で飲んでいた人がレコード会社の社員だったということもあるでしょう。

「それじゃあ完全に運じゃないか」と思うかもしれませんが、レコード会社の人たちが出入りしそうな場所や、見そうなメディア、フォローしていそうなアカウント、そういうことを考えて動くことにより、ある程度確率を高めることができるはずです。

そして2つ目はとっても王道なパターン。
「オーディションに応募する」です。

メジャーレコード会社も大手音楽事務所も、ホームページなどで調べてみると案外オーデション開催していたり、デモ音源募集と書いてたりします。

これはタイミングもあるので、常にいろんな会社のサイトやチラシなどをチェックしながらエントリーするのを忘れない、という労力が必要です。

ですが企業側は真剣に新人アーティストを探しているからこそオーディションを開催しているわけで、ちゃんと素晴らしい音楽を送れば、チャンスがあると考えられるでしょう。

そして3つ目、新しくできた仕組みです。
Frekulの「スマートオーディション」です。

これもオーディションの1種であることは間違いないのですが、ここに一度エントリーしておくだけで継続的にたくさんの事務所やレコード会社にアピールし続けることができる、という特徴があります。

まだまだ立ち上がったばかりで今後どのように広がっていくかわかりませんが、
現時点でもエイベックス、ヒップランド(サカナクション、BUMP OF CHICKEN、他)、ラストラム(SEKAI NO OWARI、他)、オフィスオーガスタ(スキマスイッチ、秦基博、他)などが参入しています。

アーティスト側は無料で使用することができるので、エントリーしない手はないと思います。

>> スマートオーディション

1人の無名なアーティストが国民的スターになっていく過程で、完全に本人だけの力でそれを実現するのはほぼ不可能です。

どういうスタイルでどういう人たちの協力を得て活動していくのか。
それを主体的に考えながら、音楽活動を楽しんでください!

この記事がヒントになり、あなたの音楽活動がより良いものになることを願っています。

「 音楽活動で生計を立てるための全知識 」もご覧ください。ご好評いただいてます。

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