こんにちは。海保けんたろー(株式会社ワールドスケープ代表/ドラマー)です。
インディーズアーティストなどを含む無名なクリエイターが「支援者の協力を得て資金を集め、その才能を開花させることができるように」という思いで作られたウェブサービスは枚挙に暇がありません。
ぼくの会社でやっている「Frekul」も元々はその1種と言えますし、昨今かなり一般化してきた「クラウドファンディング」や「ファンクラブ・プラットフォーム」なども同様です。
その中で「無名なうちにお金を投資しておけば、そのアーティストが将来成功した際に金銭的なリターンが得られます」というコンセプトのサービスが、最近にわかに盛り上がりを見せています。
実際にはそれぞれ機能やポリシーに違いがありますが、例えば「FiNANCiE(フィナンシェ)」「CHACCA(チャッカ)」「bitfan(ビットファン)」といったあたりのサービスは、どれもここ1〜2年以内に立ち上がったサービスです。
こういったコンセプトは、完全に新しいものと言うわけではありません。
古くは「music securities(ミュージックセキュリティーズ)」などが同様のコンセプトのサービスを提供していましたし、ぼくも2017年に「ゴルフ会員権ビジネスをアーティストに転用したら面白い説」というブログを書いていました。
これらが「小額決済の効率化」や「ブロックチェーン」などの技術進歩による文脈で再度注目されていると言えるでしょう。
ぼくも個人的にこういうサービスがぜひ成功してほしいと願っています。
しかしまだ「成功している」とは言えない段階です。
そこで、おせっかいながらぼくが成功のカギになるんじゃないかと考えている点について書いてみます。
”アーティストに投資するサービス”成功のカギ
最も重要なのは「お金を払ってくれるターゲット」を誰にするか?という点だと考えています。
候補はざっくり言うと「アーティストのファン」「投資家」の2つに分けられます。
ファンは、そのアーティストの生み出す作品に惚れ込んでいて、それに関連した特典を欲しがります。
そして原則的にアーティストの役に立つことであれば喜んでお金を支払いたいと思っています。
投資家は、お金を儲けることに主な興味を持っており、このアーティストが本当に将来値上がりするのか?にフォーカスします。
その確率やリターンの倍率はどれぐらいになるのか、という点について敏感です。
ファンをメインターゲットにしてサービスを設計した場合、既存のクラウドファンディングやファンクラブに近いニュアンスになります。
手堅くお金は集まるかもしれませんが、集まる金額はそのアーティストのファン数や熱量に依存してしまいます。
投資家をメインターゲットと考えた場合は、ファンを対象とするよりも多くのお金が集まる可能性があります。
そのかわり他の投資(例えば株・仮想通貨・FXなど)よりも「儲かる可能性が高い」「儲かった時の倍率が高い」ということを客観的に説明する必要があります。
ファンと投資家のバランスを取る
ぼくの結論としては、2つの中間あたりにうまくバランスをとることができたサービスが成功するのではないか、と考えています。
言うなれば「投資家的な傾向を持ったファン」から「ファン的な傾向を持った投資家」あたりをターゲットにするイメージです。
ファンに寄せすぎても投資家に寄せすぎてもお金は集まらないでしょう。
なぜならファンの数が少ないからこそこういったサービスを利用したいわけですし、純粋な投資対象として見たら他の投資に勝つのは難しい商材だからです。
「投資家的な傾向を持ったファン」というのは、例えば「この特典のためだけに●●円を払うのは厳しいけど、将来儲かる可能性もあるんだったらアリかな」と考えるような人です。
「ファン的な傾向を持った投資家」というのは、例えば「純粋な投資対象としては微妙なところだけど、このアーティストの応援にもなるならアリかな」と考えるような人です。
サービスの見せ方・機能・特典・価格設定などをうまく調整してこのバランス感を完成させることができれば、それは音楽業界にとっても発明となることでしょう。
もしお力になれるようでしたら、Frekulとしても積極的に協業させていただきたいと思っています。
こういったサービスを作られている事業家の方、お気軽にご連絡いただければ幸いです。心より応援しています。
この記事がヒントになり、あなたの音楽活動がより良いものになることを願っています。
「 音楽活動で生計を立てるための全知識 」もご覧ください。ご好評いただいてます。
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