こんにちは。海保けんたろー(株式会社ワールドスケープ代表/ドラマー)です。

先日、ピコ太郎のプロデューサーとして知られる古坂大魔王さんのツイートが目に入った。

反射的に「その通り!!!」と全力肯定したくなったが、少し考えて、
そうとも言い切れないよなあ…、というかむしろこの思考は危ういよなあ…と思い直してしまった。

なぜなら、すべての人が能動的に「いい音楽ないかな?」と探しているわけでもないし、
音楽を「流行っているから」という理由で好きになったりする人も少なくないからだ。

クオリティが高くても、目立たず、際立たないことによって埋もれている作品はたくさんある。

アーティストがビジネスを勉強する必要性

だから「いいものを作っても仕方がない」と言いたいわけでは、もちろんない。

いいものを作る努力はずっとする必要があるし、それが経済的な成功確率にもっとも大きく影響を与える、ということも間違いない。

しかし「いいものを作れば勝手に広まり、稼げる」というのは楽観的すぎる

幸か不幸か現代は、ビジネスについて学び、戦略的に自分の作品を売り出すことができるアーティストの方が有利なのだ。

自分で曲や歌詞を作り、歌ったり演奏するだけではなく、
「どうやったら知ってもらえるか?」「どうやってお金を稼ぐか?」というような視点を持って活動する。

そうやって動くことのできるアーティストの方が、成功確率は高い。

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アーティストにビジネス教育するのはむずかしい

ぼくはワールドスケープという会社を立ち上げ、Frekulというサービスを作ってから、
「アーティストがビジネスに強くなることの必要性」を強く感じるようになった。

だから一時期、教育活動に力を入れた時期がある。

アーティスト向けにトークイベントを開き「SNS活用法」「海外にファンを作る方法」「ファンクラブ運営法」などをプロの方々に解説していただいたのだ。

内容は、実用的で良かったように思う。

しかし、そこへ来たアーティストが次々と商業的に成功する、というような意図していた結果にはつながらなかった。

おそらく理由は下記の2点である。

  1. ビジネスに興味があるアーティストは少数派であり、しかも彼らの音楽が良いとは限らない。
  2. ビジネスに興味がないアーティストに無理やり講義しても、行動を変えるところまで至るのは稀。

残念ながら「ビジネスへの興味」と「音楽的レベルの高さ」は比例しない。
そして、興味がないことを教えこんでも、なかなか身にはならない。

壁を感じたぼくは「アーティストへのビジネス教育」を一旦諦めることにした。

Frekulのリニューアル

アーティストへのビジネス教育を諦めたぼくは「アーティストがビジネスに強くなるべき」なのではなく、
「アーティストがビジネスに弱くても、音楽が良ければ自然に成功する仕組みを作るべき」なんだと考えるようになり、Frekulをリニューアルした。

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マネージャー「コウイチ」、事務員「マユ」との対話形式で、自分の音楽活動を自然に最適化していくことができる。

このリニューアルで、Frekulの登録アーティスト数はぐんと増え、アクティブに使ってくれるアーティストも増えた

まだまだ完成ではないが、この方向性は間違っていないと感じている。

ボーカル、ギター、ベース、ドラム、ビジネス

あなたがもし「ビジネスに強くないアーティスト」であれば、Frekulをフル活用する以外にもうひとつオススメしたいことがある。

それは「ビジネスを担当してくれるパートナーを見つける」ということだ。

どうやってファンを増やし、どうやって活動資金を確保していくか。

これはアーティストが音楽活動を健全に続けていくために避けて通れない課題なのに、大抵は自力でなんとかしようとしすぎている。

バンドのメンバーを探すのと同じレベルで、ビジネス担当のメンバーを見つけられれば
きっと活動は円滑になり、あなたはもっと音楽に集中できるはずだ。

もし「なかなかいいビジネス担当が見つからなくて…」ということであれば、それはあなたの音楽のクオリティが足りていないということを疑ったほうがいい。

レベルの高いドラマーは、レベルの高いボーカリストとバンドを組みたがる。
ビジネスマンだってそれは同じなのだ。

この記事がヒントになり、あなたの音楽活動がより良いものになることを願っています。

「 音楽活動で生計を立てるための全知識 」もご覧ください。ご好評いただいてます。

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