こんにちは。海保けんたろー(株式会社ワールドスケープ代表/ドラマー)です。

以前からよく、バンドマンに「バンド運営」についての相談をされることがあります。

そして、
「どうやったらファン増えますかね…?」
「どうやったら食えるようになりますかね…?」
みたいな話の後に、漏れるように出てくるのが
「メンバーがあまり協力的じゃない」
という相談だったりします。

今日はその話を。

非協力的メンバー

「協力的ではないバンドメンバー」というのはどういうものでしょう?

ギタリストなのにギターを練習しないとか、
新曲を覚えてこないとか、そういうのは論外です。

そういう人は迷わずクビにすればいいだけなので何も迷う必要はありません。

対応に悩むのは「演奏してる分には最高なんだけど、バンド運営を手伝ってくれない」というメンバーです。

上を目指してバンド活動をするとなると、音楽を作って演奏しているだけというわけにはいきません。

ライブ1本するにしても、
ライブハウスやイベンターと連絡を取り合ってライブを決め、
ホームページを更新し、
SNSで告知をして、
チケット予約が入ったらそれをリストにしてまとめる、
などの作業が必要になります。

ファンを増やすためにMusicVideoも欲しくなるかもしれません。
そしたら知り合いやググった会社に問い合わせをして、
少しでも安くカッコイイ映像を作ってくれる人を探します。
会って作品について話してみて、
なんとなく相性が良さそうだったらお金の話をして、
映像のイメージを詰めて、
撮影日や撮影場所を決めて、
衣装を考えて購入し、
撮影して編集してもらう…

できあがった映像をアップするためにYouTubeのアカウントを取得して、公開。
これを人に見てもらうためにLINEで友人に連絡したり、
Twitterでつぶやいたり、
ブログを書いたり…。

そうだ!事務所のオーディションにもエントリーしよう。
まずは募集しているオーディションを調べて……

……これくらいにしておきましょう。

とにかくいわゆるインディーズバンドマンは、音楽に直接関係のないたくさんの作業を自分たちで分担しながらやらなくてはいけないのです。

いけないのです。

が、

その中に「そういったことはやらない(できない)」というメンバーがいたらどうでしょうか。

もしほとんどの作業を1人が負担していたらどうでしょうか(よくある)。

だんだん「なんでオレだけ…」「なんであいつはギター弾いてるだけで…」みたいな気持ちになるのは必然のような気もします。

ベンチャー企業とインディーズバンド

ぼくは「ベンチャー企業とインディーズバンドはとても似ている」と思っています。

これについてはまたそのうち掘り下げて書こうと思っておりますが、
「数人のスペシャリストが集まって、1つの作品を作り、世に問い、ビジネスとして成立させていく」という意味で似ているのです。

しかしなぜかバンドに関しては「メンバーは全員対等でなくてはいけない」という暗黙のルールがあるように感じます。

ベンチャー企業には、代表(社長)がいます。
つまりそこに上下関係があるのです。

数人のチームですから、何かについて相談し合うことはよくあるでしょう。

しかし、最終的に結論を出すのは代表です。

メンバーは、その決定に違和感があったとしても「代表がそう言うならその方向でがんばってみよう」と考えます。

というより、そう思ってもらえるように代表が仕向けなくてはいけません。

そうしないと、みんなが船をバラバラの方向に向かって漕いでしまうからです。

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あなたはどうすればいいか?

「メンバーが協力的じゃない」ということに悩んでいるあなた。

まず、あなたがバンドのリーダーになることを決意しましょう
いわばベンチャー企業の社長です。

そして部下(メンバー)がやるべきことをやらないのも、できないのも、自分の責任だと考えましょう。

あなたが、メンバーに「この人についていこう」と思わせるのです。

そして、あなたがメンバーに仕事を教え、任せて、モチベーションを管理するのです。

「オレはこれをやる。だから君はこれを担当してくれないか。やり方は教える。覚えてしまえば難しくないはずだ。」
そうやって業務を教え、ちゃんとやってくれたら褒める。お礼を伝える。

そういった当たり前のマネージメントをするのです。

面倒でしょうか?

それでも現状に不満をいだいたままでは、きっといつか疲れてしまいます。

「もう無理」と思ってしまうタイミングがきてしまうかもしれません。

将来の自分のためだと思って、ぜひがんばってみてはいかがでしょうか。

「自分が代表になる」「メンバーをマネージメントする」という意識を持って動けば、
きっと半年後には、あなたは今よりもずっと楽に活動できているはずです。

そして、そんな風に皆が同じ方向に漕ぎ出した船は、きっと遠くまで行けるはずだと思いませんか?

この記事がヒントになり、あなたの音楽活動がより良いものになることを願っています。

「 音楽活動で生計を立てるための全知識 」もご覧ください。ご好評いただいてます。

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