こんにちは。海保けんたろー(株式会社ワールドスケープ代表/ドラマー)です。

ぼくは自分の意志で4歳からピアノ習っていました。
そしてそれは高校に入ってドラム始めるまで続きました。

その後ドラムにはまりまくり、結局それで生計が成り立つまでになりました。
いまだに会社を経営しつつ、ドラマーとしての活動も続けています。

こうやって聞くと「大層音楽が好きなのだろう」と感じるかもしれません。
もちろん音楽は大好きなのですが、時々それに違和感を感じることがあるのです。

「僕も音楽好きなんです!」

ミュージシャンをやりつつIT業界で働いていると、新しく出会った方に「僕も音楽好きなんです!」みたいな感じで話していただけることがあります。

大抵の場合はご自身の好きなアーティスト、注目しているアーティストなどについて熱く語ってくれます。

それ自体は、うれしい。
とてもうれしいのですが…

ぼくがそのアーティストのことを全然知らないということがよくあります。

いや、それだけなら大した問題にはならないのですが、
きびしいのは、多くの場合「海保さんなら分かりますよね?」という空気で話されるという点なのです。

しかし僕は、知らない

そんなことが、案外多い。

なんでこういうことがよく起きるんだろう?
たまたま僕の聴いてなかったジャンルのことが好きな人に出会ってるのかな?

というようなことを考えてみたりもしましたが、やっぱり明らかにその彼らよりもぼくの方が音楽的知識が少ないように感じるのです。

しかし一方で、彼らがドラムやギター等の奏法についてとか、コード進行・アレンジの方法などについて僕より詳しい、という事はなさそうです。

そんなことを考えてるうちに気がつきました。

ぼくは音楽を聴くことが好きなのではなく、音楽を演奏することが好きなのだ、ということに。

音楽を演奏することと聴くこと

「サッカーが好き」という人の中にも、サッカーをプレイするのが好きな人とサッカーを観戦するのが好きな人がいます。

考えてもみれば、するのと見るのとでは全く違うベクトルの行為のように思えます。

音楽を演奏するのが好きな人が、必ずしも音楽を聴くことが好きとは限らないという、
ある意味当たり前のことを、ぼくはなんとなく混同していたのかもしれないと気づきました。

気にすることはない、と分かってはいるのですが「ミュージシャンのくせにこれも知らないのかよ」と思われると何となく嫌だなぁと思ってしまいます。
「演奏者としてもレベルが低そう」と見積もられた気持ちになるからかもしれません。

しかし実際は、サッカーの観戦回数とプレイの上手さに相関関係はありません(たぶん)。

というわけで音楽を聴くことが好きなあなたにお願いしたい。

もしミュージシャンと話す機会があったら
「ミュージシャンがあんまり音楽を知らない可能性もある」ということを頭の片隅に入れておいてあげてください。

世界がもう少しだけ、ミュージシャンに優しくなりますように。

海保けんたろーのTwitterはこちら→ @kentaro_kaiho

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