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JASRACの分配の不明瞭さをどうにかしたい

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こんばんは。海保けんたろー(株式会社ワールドスケープ代表/ドラマー)です。

先日JASRACについて書いたところとても反響をいただいたので、それを受けての続編になります。

前の記事をまだお読みでない方はこちらをぜひ

ぼく、ウソつきました

いきなりだが、本当にごめんなさい(土下座)

前回の記事がたくさんの方に読まれた結果、お二方ほどに「ウソ書いてんじゃねえ!」的なツッコミをいただきまして。

「えっ?ぼく間違ってないよね…?」と思いつつ調査を進めた結果、1つ思いっきり間違ってた次第であります。

つまりテレビ局側から見れば、どうせお金を払っているJASRAC楽曲の場合は、さっと気軽に使えるのだ。

逆に、自己管理だったり、NexTone楽曲だったりすると、イチイチ別途で申請した上で、別料金を払わなくてはいけないということになる。

「じゃあJASRAC曲でいいや」
となるのはご想像いただけると思う。

こうなってしまった場合も、権利者にとっては大変な不利益である。

上記の部分。

実際は2015年度からは、JASRAC/e-license/JRCの3者間では、使用秒数に応じた分配がスタートしていたとのことで…(ソース
(現在はe-licenseとJRCがひとつになってNexTone)

正直、全く知らんかった。ごめんなさい。
そして情報をくれたお二方、ありがとう。

このジャンル、結構詳しいつもりだったけどこういう取りこぼしてるニュースがあるんだな…と反省。

ちなみに自己管理楽曲で上記の状態にハマるというのは変わってないので注意。

JASRACは正義なのか

「じゃあ結局、JASRACはいいやつだったの?」

となると、そうは言い切れないところが難しいところ。

JASRACに信託した場合と、NexToneに信託した場合の大きな違いの一つが、「演奏権」の部分だ。

超簡単に言うと、

・曲をライブハウスで演奏する
・曲をお店のBGMとして再生する

というような使用をされた時に、

・JASRAC管理楽曲なら、お店から使用料が徴収され、作詞作曲者に分配される
・NexTone管理楽曲や自己管理楽曲だと、そもそも勝手に使ってはいけない

という話である。

これだけ見るとJASRACの方が優れているような感じでもあるのだが、実はここに問題がある。

この方式で徴収されたお金の分配方法が、めちゃめちゃざっくりしていてブラックボックス状態なのだ。

JASRACのブラックボックス

例えばぼくのバンド「SONALIO」や、その前身である「メリディアンローグ」の曲の一部はJASRACに登録されている。

そしてもちろん、今までに何十回もライブハウスでその曲たちを演奏している

だから当然、ライブハウスの人たちはJASRACにお金を払っている
(自分の曲を演奏しているだけなのに、JASRACにお金を払わなきゃいけないのはおかしい!という意見もあるが、ぼくはそこは仕方ないんじゃないかな?と思っている。演奏したのが本当に本人かどうかの確認の方が大変なので)

しかし、ぼくたちがJASRACから分配された「演奏権」に関する印税は、ここ10年振り返っても、なんとゼロなのだ。

明らかに矛盾している

このあたりの問題は、爆風スランプのファンキー末吉さんとJASRACの戦い(裁判)が知られているのだが、これも大枠としては同じ話だ。

ファンキーさんは自身がライブハウスのオーナーでもあり、JASRACに演奏権の使用料を請求されている。
しかし、「作詞作曲家としての自分」に正しく分配されていていない。これはおかしい。と情報発信を行っている。

JASRACとの戦い ファンキー末吉BLOG

演奏権の著作権使用料については他にも多く不満の声を聞く。

カラオケを大音量でかけつつ、それに合わせて生バンドが演奏してくれることにより、お客さんは生バンドで歌う体験ができる、という業態で人気のお店「BAN×KARA」オーナーの滝沢杏奈さんによると

とのことで、使用料の「徴収」の方はかなり熱心に行われている印象だ。

それに対して「分配」がここまで杜撰だと

と言いたくなる気持ちは分かる。

どうすればいいのか

さあこれは困った。

Shazamを応用するなどの技術的アプローチもあるが、
実際「どこで、どの曲を演奏したのか」を全曲、正確にキャッチするのは難しいのは分かる。

しかし、「何十回も何百回も演奏している(されている)のに納得感のある印税が入ってきていない」というアーティストが少なくとも複数存在するという事実から、JASRACの現状の分配方法に問題があるのは間違いない

どうしてもそこが改善できないというのであれば、せめて「こういう基準で、こういう方法でなるべく頑張って正しく分配しています」という情報は公開するべきではないだろうか。

それをJASRACがやらないのなら、NexToneなり、別の会社なりが整備していくしかない

特に店舗BGMについては、ぼくの会社がやれることも多いと思っているので、がんばっていきたい。

ぼくのTwitterは @kentaro_kaiho です。フォローお願いします。


人の夢と、会社の夢を重ねる

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こんばんは。海保けんたろー(株式会社ワールドスケープ代表/ドラマー)です。

先日、会社のメンバー全員で遅めの新年会があったのだけど、その時にちょっと話した話を。

自分の夢と会社の夢

いきなりで恐縮だが、ぼくの将来の夢は「英雄」だ。

ぼくなりの英雄の定義は、
数億人の人生を、大幅に幸せな方向に転換させた人
である。

そういうことを、ぼくは生きているうちに実現したい。

それに対して、ぼくが代表を努めている会社「株式会社ワールドスケープ」のミッションは
実力あるアーティストが、公正に、経済的に評価される世界を作る
である。

世界中の音楽アーティストたちが、生い立ちや、お金や、人脈や、運などに左右させず、
人を感動させたり、興奮させたりすることができる、人に必要とされる音楽を作った者が評価されて、
そしてちゃんと収入を得ていくことができる。

そんな世界を作るために、この会社は存在しているし、メンバーは毎日働いている。

つまり、ぼく個人の夢と会社の夢(ミッション)は、全く別なのだ。

ぼくの夢には「アーティスト」という縛りはないし、会社の夢には「数億人の」などという縛りはない。

でも、もし会社の目指す世界を作ることができた時には、その代表者であるぼくは、英雄とは言えないまでも、少し英雄に近づいていると言える。
そういう意味では、ぼくの夢と会社の夢は、途中まで重なっているのだ。

人の夢と会社の夢を重ねる

ぼくは、少なくとも3ヶ月に1回、会社のメンバー全員と1対1で話す時間を取っている。

そこで、必ずぼくは「その人の夢と、会社の夢は重なっているか」を確認するようにしている。

生涯で何を実現したいのか。
どんな人生を生きたいのか。
そんな話を一人ひとりに真剣に聞く。

そしてその答えに対して、ワールドスケープは「正しい通過点」として存在できているのか?
それを確認する。
もしズレてきているなら、矯正する。

それが「その人の夢と、会社の夢を重ねる」ということだ。

今、ワールドスケープという会社は、メンバーそれぞれの夢と、会社の夢が全員ちゃんと重なっている。
一人ひとりの違う人生において、ちゃんと会社が「正しい通過点」として存在できている。

最高の状態だ。

そこには、無限のモチベーションがある。
だから地頭がいいやつが揃うより、
スキルがあるやつが揃うより、強い。

これでもし大きな結果が出なかったら、これはもう、リーダー(ぼく)がクソだったとしか考えようがない。

それだけは絶対に避けたいし、しかも、きっと大丈夫なはずだ。

人生70〜80年の間に英雄になるためには、こんなところで時間をかけている場合ではないのだ。

濃く長い人生を。

ぼくのTwitterは @kentaro_kaiho です。フォローお願いします。


JASRACの何が問題点なのかを解説するから、もう許してあげてほしい

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こんばんは。海保けんたろー(株式会社ワールドスケープ代表/ドラマー)です。

今日の話は、悪名高き(?)著作権管理団体「JASRAC」についての話。

JASRACの炎上

こんなニュースが出て、JASRACがまた燃えている

音楽教室から著作権料徴収へ JASRAC方針、反発も:朝日新聞デジタル

Aさん「音楽教育の芽までつぶす気かー!」

Bさん「儲けることしか考えてないのかー!」

Uさん「私の曲は無料で使っていいからねー!」

とか色々な意見が噴出し、定例行事かのようにいつも通り炎上している。

一方でJASRAC関係者がTwitterで反論していたり、JASRAC擁護をする人もいたりする。

おそらく、音楽業界人でもない限り

「結局、どっちが正しいの?」
「JASRACはクソなの?クソじゃないの?」

の判断がつかないのではないかと思ったので、ぼくなりの解説をしてみようと思う。

彼らは必死に仕事をしているだけ

JASRACは、ざっくり言えば「作詞家や作曲家から著作権を預かり、それを使ってなるべくたくさんのお金に変えて還元するための団体」だ。

だから、

「音楽教室からも利用料を取るなんて!業界全体のことを考えてない!」
「地元の小さなライブバーにも職員が集金に来た!セコい!」

という批判は、気持ちはわかるけど、理屈としては若干ズレている。

彼ら(JASRAC)は、必死に、真面目に仕事をしているだけなのだ。

「取れそうなところがあれば、なるべく大金を取る」というのが彼らの仕事なのだから。

JASRAC信託せざるを得ない理由

それでも、「ひどい!」とか「何もそこまでしなくても!」と思う気持ちはとてもよく分かる。

そして、その気持ちをストレートにぶつけると、

「じゃあ、曲作った人はJASRACに権利を預けなければいいじゃないですか」
という反論が出てくる。

確かに、JASRACのやり方に納得がいかないなら、作詞家・作曲家はJASRACに自分の曲を信託しなければいいのだ。

理屈としては間違いない。
理屈としてはそうなのだが、現実的には難しい。

個人的には、知名度が高くない曲はJASRAC信託しない方がメリットが大きいと思っている。

しかし、知名度のある曲の権利者は、JASRACに信託せざるを得ない

その理由は下記の2点だ。

・印税収入が減る可能性があるから

・テレビなどの放送で使われる可能性が下がるから

それぞれ解説する。

理由1:印税収入が減る可能性があるから

今の日本でJASRACに信託しないということは、

・どこにも信託せずに自己管理する

・NexTone(イーライセンス+JRC)に委託する

の実質2択になる。

どちらの場合も、回収能力がJASRACと比べて大幅に劣るのは避けられないため、
作詞者・作曲者としては印税収入が少なくなる可能性が高い

これは権利者としては言うまでもなく致命的である。

理由2:テレビなどの放送で使われる可能性が下がるから

※追記(2017/2/28)
この段落については認識に間違いがありました。こちらの記事にて訂正しておりますのでご注意ください。

そしてもう一つの「放送で使われる可能性が下がる」については、テレビ局との包括契約の問題が関わっている。

JASRACは、各テレビ局と「包括契約」を結んでいる。

「売上の●%を支払ってくれるなら、JASRAC管理楽曲は使い放題でいいですよ」
という契約
だ。

つまりテレビ局側から見れば、どうせお金を払っているJASRAC楽曲の場合は、さっと気軽に使えるのだ。

逆に、自己管理だったり、NexTone楽曲だったりすると、イチイチ別途で申請した上で、別料金を払わなくてはいけないということになる。

「じゃあJASRAC曲でいいや」
となるのはご想像いただけると思う。

こうなってしまった場合も、権利者にとっては大変な不利益である。

※ちなみに、イーライセンスが「独占禁止法違反だ!」ということでJASRACを訴えているが、なんだかんだグダグダ争い続けていて改善に繋がっていない

どうしたらいいのか

というわけで、

「じゃあ、JASRACに権利を預けなければいいじゃないですか」

と言われても「はい、じゃあそうします」と簡単にできない事情が分かってもらえたかと思う。

つまり、トータルでみたら「JASRACに登録せざるを得ない」といえる状況でありながら、
JASRACのやり方に疑問を感じている権利者が一定数いる
、というのが問題の本質なのだ。

これを根本的に解決するためには、権利者に選んでもらえるように「JASRACに信託する、以外の選択肢」を盛り上げていくしかない。

そこに健全な競争が発生すれば、権利者と利用者がより便利で幸せになる形が浮かび上がってくるはずだ。

※ほんとはもうひとつ、JASRACには「権利者への分配額や分配方法が不明瞭」という大きな問題点があるんだけど、それはまたの機会に

ぼくのTwitterは @kentaro_kaiho です。フォローお願いします。

※追記(2017/3/10)
もうひとつの問題点について書きました。こちらの記事もぜひご覧ください。