こんにちは。海保けんたろー(株式会社ワールドスケープ代表/ドラマー)です。

弊社はFrekulというサイトを通して、インディーズアーティストが

「もっとファンを増やせるようにする」
「もっとお金を稼げるようにする」
「もっと事務作業に時間を取られないようにする」

の3点を実現できるようがんばっています。

そして最近は、その2つ目である「お金を稼げるようにする」という点を深掘りするため、
「インディーズアーティストを応援している方々」に直接お会いして
率直な質問をぶつけまくる
、ということをしたりしていました。

今日の話は、それをやっていて感じたことです。

ネットでアンケートを集めた

少し前に、ぼくはこんなアンケートを公開した。

リツイートしてくれた皆さまのおかげで、
とてもたくさんの方に回答をいただくことができました。

感謝。

そして、そのアンケートの最後の項目に
「もし私(海保)が直接お会いしてお話をうかがいたいと言ったらご協力いただけますか?」
というものを入れておいたのだが、30人くらいの方がなんとそれをOKしてくれたのだ。

ぼくは皆さんに連絡を取り、3人〜6人くらいのグループでそれぞれご来社いただくことにした。
インディーズアーティストを応援している方々の本音が知りたかったからだ。

その結果、当たり前のことだが、
皆さん人それぞれバラバラの価値観をお持ちだった。

だから、もちろん統一された意見などはない。

しかしそれでも、いちミュージシャンでもあるぼくの想像とズレていた部分や気付かされたことがあったので、
それを皆さんにシェアしたい。

1.案外、純粋に音楽家として応援している方が多い

例えばとある男性シンガーソングライターのライブが
下北沢とかのライブハウスで月に5本以上とかやってて、
その全部に参加しているような熱心な女性ファンがいるとして。

そうするとつい、
「ファンというより、もはや恋愛みたいになっちゃってるんじゃないの?
(=音楽というより異性として好きだから通ってるんじゃないの?)
と邪推してしまいそうになる。

しかし、そういう方は案外少なかった。
というか、ぼくが話を聞いた方々にはひとりもいなかった

◆ ◆ ◆

例えば「恋愛感情は全くなく、純粋にそのアーティストの音楽だけが好き」という方がいた。

とにかくその音楽が好きで、ライブが好きで。
だからCDは買うし、ライブDVDも買う。

でも、アーティストの写真はいらない。グッズもいらない。
1対1でチャットができるとか、打ち上げに参加できるとかもいらない。
音楽と関係ないから。

そうか、そういう方もいるのか、と勉強になった。

◆ ◆ ◆

例えば「恋愛感情はゼロではないが、自ら一線を引いている」という方がいた。

そのアーティストの音楽が好き。ライブが好き。
そしてキャラクターも見た目も好きだ、と。

しかし、恋愛感情を抱いてしまうと、嫉妬したり、独占欲が湧いたりして、
きっとライブを純粋に楽しめなくなってしまう。

それは自分にとってとてもつらいことだ、と。

だから、たとえアーティスト本人とゆっくり話せるチャンスがあったとしても、
挨拶程度にしている。
距離を縮めすぎないようにしている

結果、アーティストとして純粋に応援することができている。

こういう方もいるのか、と勉強になった。

2.案外、お金を払う口実を探している方がいる

お会いした方々に

「あなたの好きなインディーズアーティストのファンクラブが立ち上がったとして、
その会費が月5000円なのにも関わらず大した特典がない、という形でも入会しますか?」

という意図の質問をした結果、2割くらいの方は「入る」と答えた。

これは個人的にはかなり驚きだった。

月5000円というのは、ファンクラブの値段としてはかなり高い。

それに「大した特典がなくても」入るというのだ。

理由を聞けば、そもそも根本として「音楽を続けていてほしい」と願っている、と。

そのためにお金が必要ならそれは支援したい。

しかしライブの度に新しいグッズが発売されるわけでもない。

すでに持っているCDを毎回毎回買うというのも何か違う。

もちろん現金を手渡すのも何か違う。

だから、クラウドファンディングとか、ファンクラブとか、
何かのきっかけで「お金を支払える」ということ自体が嬉しいのだ、と。

アーティストにとって、なんとありがたい存在だろうか。

こういう方々のニーズを満たすものを用意するだけでも、
弊社の価値はあるのかも、と感じた。

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3.デジタルコンテンツではライブ映像が最強

「ファンクラブ特典として、何がもらえたら嬉しいか」ということをかなりヒヤリングした。

もちろん人それぞれ色んなご意見をいただいたのだが、
ほぼ全員が「それはほしい」と言ったのは「ライブ映像」「ライブ録音」だった。

これはそれなりに想像通りではあったが、
「何を提供したらファンは喜んでくれるのか」という部分に関して、
かなり確固たる回答となった。

ちなみに、DVDという形でもらえるのと、データで送信されてくるのと、どちらが嬉しいか?
という質問の回答は見事に2つに分かれた

「モノがほしい。コレクションしたい。」というDVD派と、
「DVDは面倒。スマホとかで見れるほうがありがたい。」というデータ派。

どちらもほぼ半々だ。

それならば、提供側として圧倒的にコストが低いのはデータ送信であるから、
そちらで提供するのがベターと言えるだろう。

しかし、DVDには「高額である納得感」というのがある。

「月3000円で、毎月DVDが郵送されてきます」なら割高感はないが、
「月3000円で、ライブ映像がメールで送られてきます」だと割高に感じる。

アーティストがファンクラブを収入のひとつとして考えるのであれば、
この点は無視できないため、悩ましい選択となるだろう。

ファンを信じよう

結論として、インディーズアーティストの皆さんに伝えたいことがある。

それは「ファンをもっと信じよう」ということだ。

あなたのファンは、おそらくあなたが想像しているよりも、
あなたの将来について本気で考えてくれているし、
あなたの活動がもっと充実した素敵なものになるよう願ってくれている。

「きっとこういうのは理解してくれないだろうな」とか
「きっとこういうのは興味ないだろうな」などと決めつけず、
しっかりと自分の素直な想いを発信していれば、
多くのファンはあなたの思考を理解して、ちゃんと応援してくれるはずだ。

この記事がヒントになり、あなたの音楽活動がより良いものになることを願っています。

「 音楽活動で生計を立てるための全知識 」もご覧ください。ご好評いただいてます。

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